実績
当センターでのリハビリ症例について詳細な情報を掲載しています。発症からの期間、後遺症の程度を問わず、多くの方がご自身の改善目標を達成されています。
【動画あり】50歳代/男性/右片麻痺リハビリによる改善事例のご紹介
この記事の監修者
加藤 隆三
理学療法士
右手・肩の痛みが改善し生活の中で出来ることが増えた
改善内容
達成した目標
右手・肩の痛みが改善し生活の中で出来ることが増えた
レビュー
基礎情報
- ご病名
- 脳梗塞(右片麻痺) 2022.6/14
- 具体的な症状
- 右手は動くが、右手指~肩にかけて痛みがあり、手指はむくみも見られこわばりと動かしにくさがあった。そのため、右手を使う気になれず何かをやろうとする気持ちにブレーキをかけていた。
- 年代・性別
- 50歳代・男性
- 発症からの期間
- 約8か月
- リハビリ期間
- 60日リハビリプログラム16回(週2回、1回90分)
- リハビリ目標
- "①グーパーがスムーズに出来るようになる ②右手の指のこわばりや痛みの軽減 ③右手首や腕・肩(五十肩)の痛みの軽減 ④痛みなく麺類をすくえるようになり、ラーメンやうどんが食べられるようになる ⑤意識せず本人にとって楽に、滑らかに歩けるようになる(「滑らかに歩けるようになりたい、ぎこちなく右膝が曲がらない」訴えあり)"
- 利用メニュー
- 60日リハビリプログラム
- 利用回数
- 16回
当センターご利用までの経緯
- 入院中から右手のこわばりや手~肩にかけての痛みがあり、退院後も外来のリハビリに通う。
- 復職予定だったが、痛みが強く復職が延期となる。
- 外来のリハビリの期限が切れたが、痛みが残存したため当施設に来院される。
初回体験時の状況
- 右手の麻痺は軽度であり動かすことは出来るが、手指の痛みとこわばり、むくみ、動きにくさ、力の弱さ(「しっかり握れない」)の訴えがあり。実際に動かして頂くと必要以上に力が入ってしまい、右手指~肩にかけての痛みが伴ってしまう。
- 右足の麻痺も軽度であり、独歩は可能であったが、「ぎこちなく右膝が曲がらない」と訴えがあり、立ち上がり時は右太ももに痛みがあった。
- 右手足ともに痛みにより、「何かをやると痛みがでそう」という不安から生活での右手足の使用頻度が低下し、生活で出来ないことが増えていた。
- 痛みの影響により、具体的な目標が定まらず、痛みに固執してしまっていた。
リハビリ内容
- 腰の硬さや五十肩(右肩)によって姿勢の非対称が生じていた。その影響で良い方の左半身も硬くなっており、右手足の動かしにくさを助長していた。そのため、まずは姿勢の非対称を軽減するところから介入した。
- 右手は頑張って努力的に使ってしまう傾向があったため、課題に合った力で動けるように、感覚を手がかりに動く練習を実施
- 歩行では、意識的に正常な歩行に近づけようとする傾向があったため、無意識に歩ける身体となるように介入した
- 痛みに固執してしまう事から具体的な目標や生活の変化に気づくことが難しかったため、毎回生活の変化を聴取し、目標の具体化を意識し、生活の中での自主練習を提供した。
改善内容
- 痛みなく、グーパーが早く出来るようになり、強くも握れるようになった。その結果、右手のみで2ℓのペットボトルを持てるようになった。
- 右手で車のドアの開閉が出来るようになった。
- 生活動作程度では右手~肩にかけての痛みも出なくなり、右手で車のハンドルを自然に持てるようになった。
- お箸(右手)でうどんをつかめるようになり、口に近づけても肘や手首の痛みはなくなった。ラーメンなどの麺類が痛みなく食べられるようになった。
- 季節ごとの模様替えが習慣であり、退院後は初めてラックを運べるようになり、模様替えが出来た。
担当セラピストのコメント
ライター
保本 夢土
理学療法士
経歴:2008年に鈴鹿医療科学大学 理学療法学科を卒業し、理学療法士国家資格を取得。同年~2018年まで静岡県内の療養期の病院、介護老人保健施設に勤務し、慢性期の患者様に携わる。その中で脳血管障害に対する治療を中心に学び、脳卒中患者様を専門に携わりたいという思いから、2019年に脳梗塞リハビリBOT静岡に勤務。運動麻痺の改善に最善を尽くすこと、お客様の身体および精神的な悩みを共有し、少しでも表情が明るくなるよう心がけています。
この記事の監修者
加藤 隆三
理学療法士
2012年に常葉学園静岡リハビリテーション専門学校を卒業し、理学療法士免許を取得。資格取得後は整形外科やスポーツ現場、介護サービスにて様々な分野のリハビリテーションに携わる。介護現場ではお客様の生きがいや生活の質を高めることをコンセプトとした生活リハビリの業務に従事する。2018年から脳梗塞リハビリBOT静岡の所長に着任、脳梗塞の後遺症に悩まれている方のリハビリやご家族の支援も行う。また地域リハビリテーションにも力を入れており、介護予防教室を50回以上開催し、自立支援型ケア会議に参加している。その他、福祉用具専門相談員に対する講演や大学教授との共同研究等を行っている。地域の皆さんがいつまでも生きがいを持って生活できるよう、最善のリハビリを提供することを心がけている。
約2か月間のリハビリありがとうございました。終了時には、痛みの軽減により生活の中で右手で出来ることが増え良かったです。
趣味であるギターや洗車に挑戦することができるようになって本当に嬉しく思います、まだまだ満足には遠いかもしれませんが、今後も趣味の実現、復職を応援しております。