実績
当センターでのリハビリ症例について詳細な情報を掲載しています。発症からの期間、後遺症の程度を問わず、多くの方がご自身の改善目標を達成されています。
【動画あり】70歳代/女性/左片麻痺リハビリによる改善事例のご紹介

この記事の監修者
加藤 隆三
理学療法士
装具を外して歩くことができた。買い物が疲れなくなった。

改善内容
達成した目標
装具なしでも歩けるくらい歩行が安定したため、買い物で1時間カートを押しても疲れなくなった。
レビュー
基礎情報
- ご病名
- 被殻出血(左片麻痺) 2022.7
- 具体的な症状
- 装具をつけて歩くことはできるが、左足のぶん回しや内股、ドスンドスンと着くのが気になる。最近は良い方の右足も出にくくなってきている。 運動をすればするほど歩きが悪くなってきている。立つのも大変。
- 年代・性別
- 70歳代・女性
- 発症からの期間
- 約2年
- リハビリ期間
- 60日リハビリプログラム16回(週2回、1回90分)
- リハビリ目標
- ①まずは装具がある状態で、自然に左足に体重がのることで現在よりも楽に立てるようになる ②装具がなくても立てるようになる(今までやったことがないとの事) ③現在よりも滑らかにきれいに歩けるようになる(意識をせずに歩ける、左足の分回し・内股・ドスンドスンが軽減する) ④運動するほど悪くなっているため、自分の身体にとってどのような運動が良いか悪いかを判断できるようになる
- 利用メニュー
- 60日リハビリプログラム
- 利用回数
- 16回
当センターご利用までの経緯
- 退院後、6カ月間は外来のリハビリを利用
- 外来のリハビリが終了後、運動のために複数のデイサービスを利用
- 運動をするほど歩きが悪くなるため、他の自費のリハビリを利用するが、改善が見られなかったため、当施設に来院
初回体験時の状況
- 1時間ほど歩けるほど歩行能力は高いのにもかかわらず、何をするにも意識的かつ努力的であり、動きが早くしんどそうな印象を受ける
- 動きが意識的かつ努力的な結果、歩行や立ち上がりがかえって大変になっていた。意識をしない方が楽にできることを知らなかった。
- 意識的にきれいに歩こうとする結果、良い方の右足にまで悪い影響がでており、右足が出にくくなっていた。
- 努力的な動きを2年間行ってきていたため、身体が硬くなっていた
リハビリ内容
- 長期間の努力的な動きの影響もあり姿勢の非対称がつよかったため、まずは姿勢の非対称を軽減するところから介入した。
- 歩行の前にまずは、楽に立てることを目標に介入。意識がある場合とない場合の違いも感じる練習も実施。
- 歩行では、意識的に正常な歩行に近づけようとする傾向があったため、無意識に歩ける身体となるように介入した
- 努力的な動きが癖になり、早い動作の方が楽であるという考え方が強かったため、目標を具体的にすること・何が楽に感じるのかに焦点をあてリハビリをすすめた。
改善内容
- 立ち上がりが無意識に楽に立てるようになると、生活の中で左足に体重がかかることが増え、支えが強くなった。
- 左足の支えの向上や姿勢の非対称の結果、歩行の分回しやドスンドスンが改善した。「左足の支えが強くなり楽になった」「買い物が楽になった、1時間歩いた後でもあと1時間くらい歩けそう」など、生活の中でも変化が現れるようになった。
- 生活の中での変化が分かるようになると、何が楽なのかが分かるようになり、「自分にとっては意識しない方が楽に歩けることが分かった、楽に歩けると疲れない」と意識の変化も現れた。「最初は、何が楽か違いが分からずとても大変だったけど、今は分かるようになって、焦らずゆっくり歩けるようになった」
- 装具なしでも立つことが出来るようになり、自宅でも立つ練習が出来るようになった。「外出先では手すりがないからトイレに行けなかったが、これなら行けそう」と言う声も聞かれた
- 装具なしで、初めて歩く練習ができ、10mほどであれば一人で歩けるようになった。「最初はとても怖かったけど怖くなくなった」その結果、自宅でも車いすを使用することが減り、歩く時間が増えたことで、1時間から1時間半を連続で歩いても疲れないようになった。自宅での転倒も減った。「以前は3か月に1回ほど左側に倒れていたけど、バランスが取れるようになり、危ないと思ったら体勢を整えられるようになった」
担当セラピストのコメント

ライター
保本 夢土
理学療法士
経歴:2008年に鈴鹿医療科学大学 理学療法学科を卒業し、理学療法士国家資格を取得。同年~2018年まで静岡県内の療養期の病院、介護老人保健施設に勤務し、慢性期の患者様に携わる。その中で脳血管障害に対する治療を中心に学び、脳卒中患者様を専門に携わりたいという思いから、2019年に脳梗塞リハビリBOT静岡に勤務。運動麻痺の改善に最善を尽くすこと、お客様の身体および精神的な悩みを共有し、少しでも表情が明るくなるよう心がけています。

この記事の監修者
加藤 隆三
理学療法士
2012年に常葉学園静岡リハビリテーション専門学校を卒業し、理学療法士免許を取得。資格取得後は整形外科やスポーツ現場、介護サービスにて様々な分野のリハビリテーションに携わる。介護現場ではお客様の生きがいや生活の質を高めることをコンセプトとした生活リハビリの業務に従事する。2018年から脳梗塞リハビリBOT静岡の所長に着任、脳梗塞の後遺症に悩まれている方のリハビリやご家族の支援も行う。また地域リハビリテーションにも力を入れており、介護予防教室を50回以上開催し、自立支援型ケア会議に参加している。その他、福祉用具専門相談員に対する講演や大学教授との共同研究等を行っている。地域の皆さんがいつまでも生きがいを持って生活できるよう、最善のリハビリを提供することを心がけている。
約2か月間のリハビリありがとうございました。何が楽かどうかが分かるまではとても苦労されていましたが、終了時には分かり、歩行の改善も見られ嬉しく思います。
装具なしでも歩けるようになってきたので、今後は装具なしで家の中を歩けるようになることを応援しております。