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2023.08.22 脳梗塞の後遺症
脳梗塞による言語障害(失語症・構音障害)とは
この記事の監修者
加藤 隆三
理学療法士
日頃、私たちは息をするように言葉を発し、耳で聞いた言葉を理解しています。その言葉が、ある日突然意味の分からない音に聞こえたら?または、言いたいことがあるのに全く違う言葉となって発声されたら、あなたはどうしますか?脳梗塞の後遺症の一つである言語障害には、失語症と構音障害があります。失語症は言語の理解や表現に障害が生じ、言葉をうまく話したり、意味を理解することが困難になる状態です。構音障害は発声器官に問題があり、明瞭な発音や正確な音の形成が難しい状態です。この記事では、そもそも言語機能とはどのようなものなのか、そして各言語障害の特徴について詳しく解説するとともに、症状を抱えながら生きる上で必要なサポートについてご紹介します。
目次
脳梗塞による言語障害とは
脳には運動するときに指令をだしたり、目や耳から入ってきた情報を処理する等のさまざまな機能が存在します。そのうちの一つとして言語の機能も備わっており、脳梗塞によって脳が損傷した場合は、言語障害を患う場合があります。
言語障害は主に「失語症」と「構音障害」に分けられますが、症状としては異なるものです。まずは失語症と構音障害の症状をそれぞれ確認し、どのような違いがあるのかを見ていきましょう。また、日常生活における問題点とそれぞれの症状に対する対策・サポートについてもふれていきます。
失語症とは
まずは失語症の定義についてみていきましょう。
【失語症とは】
・脳損傷が原因で出現する言語機能の障害
・「聴く」「話す」「読む」「書く」のすべての言語様式に病前と比べて何らかの能力低下が出現する
・失語症は言語機能そのものの障害 ※1
ここでいう脳損傷とは脳梗塞や脳出血等の脳卒中、頭部外傷を指します。脳には「言語野」と呼ばれる部位があり、脳梗塞などによって言語野が障害された場合に失語症を発症します。また、重症度や個人差によって程度の差はありますが、失語症では「聴く」「話す」「読む」「書く」といった言語の全ての側面で障害がみられてしまうのです。
会話が成り立つ仕組み
私たちは普段から何気なく人とコミュニケーションを取っていますが、脳内ではどのような手順で処理が行われているのでしょうか。
【会話の流れ】
① まず、相手の話す内容は耳から入り、側頭葉の「一次聴覚野」と呼ばれる部位に情報が運ばれます。
② 一次聴覚野から言語野へ情報が運ばれ、音の理解や言葉の理解が行われます。
③ 相手からの情報の処理が終わった後は、話すために前頭葉に位置する「ブローカ野」へ情報が送られます。
④ ブローカ野から情報は「一次運動野」へ指令がかわり、実際に口や舌を動かすよう指令を出します。
⑤ その後、指令が口や舌、声帯等に届いて話すことができます。
このように、脳は耳から入った情報を聞いて音や言葉の意味を正しく理解した後、話すために必要な器官を動かす指令を出しているのです。
運動性失語(ブローカ失語)
失語症は大きく2つに大別されます。それは「運動性失語」と「感覚性失語」です。
先述した言語野には「ブローカ野」「ウェルニッケ野」と呼ばれる2つが存在し、このうちのブローカ野(とその周囲)が障害されることで、運動性失語を発症します。ここでは、運動性失語の特徴を紹介していきます。
【障害部位】
図の通り、オレンジ色に塗られている部位(下前頭回脚部)がブローカ野です。このブローカ野を含めた広範囲の損傷によって運動性失語が引き起こされます。
【病態】
① 聴く⇒あいさつや簡単な文の理解は可能ですが、情報量が多い文解は苦手です。
(例:「手を挙げて」「○○をとって」はできるが、「○○してから△△して」は混乱する)
② 話す⇒単語で言えることがありますが、文での表出は難しいです。
(例:「りんご」は言えるが、「りんごを食べる」が言えない)
③ 読む⇒基本的には「聴く」のレベルと同程度のことが多いですが、失語症が重度の場合は「聴く」よりも良いことがあります(書いてある単語が読める程度)。この場合は、仮名よりも漢字の方が理解良好なことが多いです。
④ 書く⇒基本的には書くこと自体が難しいですが、ご自身の名前や住所、「本」「犬」といった簡単な漢字が書ける人もいらっしゃいます。
【その他の症状】
・右片麻痺 ・口部顔面失行 ・発語失行
ブローカ野が運動を司る部位(一次運動野)の近くであることから、右片麻痺(右側の手足が動かない)が出現することがほとんどです。その他、思った通りに口や舌が動かない症状(口部顔面失行・発語失行)が合併している場合は、言葉自体が歪んでしまうことがあります。また、重度例では声を出すこともが難しい(意図的に息を吐く動作が難しい)場合もあります。
感覚性失語(ウェルニッケ失語)
次に感覚性失語について紹介していきます。
【障害部位】先ほどの図の黄色の部位がウェルニッケ野(上側頭回)となります。ウェルニッケ野を含めた広範な損傷で感覚性失語が引き起こされます。
【病態】
①聴く⇒聞こえる音を正しくとらえられないため、言葉の意味と結びつかない状態となります(運動性失語よりも重篤に障害されてしまう)。
(「りんご」と聞いても、「り」「ん」「ご」と頭に入らないため、何を言われているかわからない状態)
②話す⇒たくさん話はするものの、言い誤り(錯語)が多く相手に伝わりづらくなります。重度の場合は日本語に存在しない言葉(ジャーゴン)がみられることもあります。
③読む⇒聴くと同程度に障害されます。
④書く⇒ほとんど書けず、自身の名前を書くことも難しくなります。
【その他の症状】
・感覚障害・病識が低い(自分に失語症状があることに気づけていない)・同名半盲
このように、感覚性失語は「聴く」力が重度に低下するため、相手の話す内容だけでなく、自分の話す内容も分からなくなります(病識が低くなる)。その結果として、言い誤りが多いために相手に伝わらないことが多いのです。一方で、障害部位から運動機能は保たれていることが多く、運動麻痺を患うケースは少ないですが、感覚障害が出ることがあります。また、側頭葉では視覚伝達の一部が通っており、その場合は片側がみえない(半盲)症状が出現することがあるのです。
失語症が日常生活に及ぼす影響と対応
失語症を患うことで、日常生活でどのような問題が起きるのでしょうか。ここでは日常生活内に及ぼす影響と、その対応についてみていきましょう。
① 聴く力が落ちている場合
・相手の話す内容がわからない
・自分の話す内容に誤りがあってもわからず、誤っていることに気づけない
【対策】
・図や絵を用いる(目で理解する力を併用する)
・本人の好きなものや日常生活での活動から理解を深めていく
・実際に一緒に行い、状況等から理解してもらう
② 話す力が落ちている場合
・スムーズに言葉が出てこない
・思った言葉と異なった言葉を言ってしまう
・会話や電話がむずかしい
【対策】
・文字を書く
・はい/いいえで答えられるような質問で尋ねる
③ 読む力が落ちている
・新聞や本を読むことができない
・メール内容がわからない
・職場等で仕事に必要な書類の内容がわからない
【対策】
・図や絵を併用する
・口頭で伝える
④ 書く力が落ちている
・必要書類にサインが書けない
・メールが打てない
【対策】
・周囲の人から代筆してもらう
・スマホなどで音声入力を使用する
失語症では「スムーズにコミュニケーションが取れない」ことに強いストレスを感じる人がほとんどです。言いたいことが言えないために、自分から家族や友人へ話しかけることが少なくなることで、社会的な孤立に繋がります。また、読書や書道が趣味な人であれば、失語症へのストレスに加えて、余暇活動が制限されてしまうため、生きることへのモチベーションも下がってしまうのです。
失語症に対するリハビリ
コミュニケーションの問題を解決するためには言語聴覚士とのリハビリテーションを行う必要があります。言語聴覚士は失語症を含めたさまざまなコミュニケーション障害を持つ人々にリハビリを行っております。言語聴覚士は主に病院で勤務していますが、その他にも介護老人保健施設や通所リハビリなどにも所属しています。最近ではオンライン上でも行えるようになってきました。
言語聴覚士はご本人やご家族から発症前の生活を聴取して「今後の日常生活において、どの点を解決していくべきか」と考えながらリハビリを行っていきます。失語症のリハビリには主に絵カードを用いますが、その他にも書く力を鍛えるためにドリル等を使用します。その他、スマホやパソコンを発症前から使用する習慣がある場合は、訓練として行うこともありますよ。
また、重度な失語症のケースでは訓練教材が使えない場合もあります。この場合は日常生活を通してご本人に働きかける(話しかける)ことから始めていきます。例えば「一緒に新聞や雑誌を見る」「一緒に簡単なものを作ってみる」等、ご本人が興味のあるものを一緒に行うことで、コミュニケーションの基盤(コミュニケーションは自分と相手がいることで行う)を理解してもらうことに繋げています。
失語症に必要なサポートは
失語症者とコミュニケーションをとるときは以下の点を意識しましょう。
① ゆっくり話しかける
相手の言葉を理解するまでに時間がかかることがあるため、相手がきちんと理解しているかを表情や態度などをみながら話しかけるようにしましょう。
② 長文では伝えず、短く端的に
一度に伝える情報量が多いと、失語症者は混乱することがあります。伝えるときは短い文章で伝えると良いでしょう。
③ 周囲の環境はできるだけ静かにする
周囲の音に気が散ってしまい、コミュニケーションの妨げになることがあります。可能な範囲で周囲の音は静かな方が良いです。
④ 図や絵を使う
図や絵の理解ができる場合は、コミュニケーションノートを使用すると良いでしょう。
コミュニケーションノートとは、その人の生活背景に沿った要求や行き先などを指さしで知らせることのできるツールです。最近ではスマホのアプリにもあります。
⑤ ジェスチャーを混ぜる
言葉以外にも身振り・手振りを併用しながら、会話することで失語症者への理解を促すことに繋がります。
⑥ 五十音表の使用は控える
失語症者は「読む」力が低下しているため、実用的なツールとはなりにくく、かえって失語症者に混乱を与える場合があります。
⑦ 子ども扱いしない
言語機能が低下していますが、相手の表情や接する態度はきちんと理解できています。子どもに話しかけるような口調で接しても、失語症者は「バカにされている」と思ってしまいます。子ども口調で接するのは避けましょう。
また、重症度によって「聴く」「話す」「読む」「書く」の得意・苦手も人によって異なります。まずは、言語聴覚士を始めとした医療スタッフと情報共有を行い、ご本人の症状を整理して関わる必要があります。
構音障害とは
続いてもう一つの言語障害である構音障害について触れていきます。
【構音障害とは】
中枢から末梢に至る神経・筋系のいずれかにおける病変による構音器官の運動障害。※2
つまり、失語症は言語中枢の損傷を受けて、「言いたいことがわからない」「言っていることがわからない」状態となることに対して、構音障害は脳の運動中枢や神経、筋肉が障害されることで「思うように口が回らない」「思った通りの声が出ない」状態となります。
発声の仕組み
続いて、私たちが脳内で話す内容を決めた後、どのような過程を経て話すことができるのでしょうか。どのようにして声を出して、ことばを発しているのかを確認していきましょう。
① 声を出すときには息を吐き、気管内を通り声帯へ達します。
② 声帯を通過する際、声帯が振動することで声が産生されます。
③ 声はさらに上昇し、喉や口へ運ばれます。
④ 上昇しているときに、舌や口の位置や形をかえたり、鼻への通り道を塞ぐなどして、正しくきれいな発音(構音)することができるのです。
この①~④のいずれか・複数に問題が生じて構音障害となります。
構音障害が日常生活に及ぼす影響と対応
では実際に構音障害ではどのような問題が生じるのでしょうか。以下に代表的な症状をまとめてみました。
・声が出ない(かすれ声や力んだ声、弱々しい声など)
・呂律が回らない
・特定の音がはっきり言えない
・常に鼻から息が漏れてしまい、聞き取りづらい
・嚥下障害を合併することがある
(食べ物を喉に送り込むことができない、噛めない、口からこぼれてしまう等)
このような症状により「相手に何度も聞き返される」「なかなか言えずにもどかしくなる」「話すことをあきらめる」といったことがみられ、他者とコミュニケーションを取ることに嫌気を指す人もいます。
構音障害に対するリハビリ
構音障害に対する基本的なリハビリとして以下が挙げられます。
① 呼吸訓練
② 発声訓練
③ 鼻咽腔閉鎖機能訓練
④ 口腔機能訓練
⑤ 音読訓練 等
それぞれみていきましょう。
① 呼吸訓練
声を出すにはある一定量の息を吸う・吐く力が必要です。訓練で声を出すために必要な呼吸の力を高めます。呼吸のコントロールや胸郭の可動域を高めます。
② 発声訓練
ガラガラ声やかすれ声等となってしまった場合に声帯を閉じる訓練(力んだ声を出す)を行います。また、発症前と比べて声が小さくなった場合は、声を大きく出すための意識づけを行います。歌を歌うことも有効です。その他、声を出すときは腹筋を高めることが、有効な場合があります。
③ 鼻咽腔閉鎖への訓練
鼻咽腔とは鼻の奥の空間を指します。通常は鼻咽腔への通路は閉じています(必要時は開きます)が、脳梗塞などの影響で閉鎖ができなくなることがあり、常に声が鼻から抜けている状態となります。そのため、鼻咽腔への通路を閉じる練習をすることで発話の改善を目指します。
④ 口腔機能訓練
実際に口や舌を動かしてもらい、口や舌の運動機能を高めます。
⑤ 音読訓練
文章の音読を行い、実際の会話などを想定した訓練を行います。また、話すスピードのコントロールが不十分であれば、機能に合わせたスピードをお伝えして発話の明瞭度を高めます。
構音障害に必要なサポートは
構音障害に対する必要なサポートしては以下が挙げられます。
・話す機会を積極的に設ける
・聞き取りづらさの原因を理解する
構音障害は「発話に対する運動機能の低下」ですので、基本的に他者と積極的にコミュニケーションをとってもらうことが大事です。話す機会を十分に設け、機能を高めていく必要があります。近所の人たちや友人とカラオケに参加することも大事な機会ですので、積極的に参加すると良いでしょう。
ただし、ご本人が他者とコミュニケーションを取りたくない場合は、まずは家の中でも行えるものから始めてみると良いです。例として、「歌番組をみて一緒に歌う」「新聞の朗読」などから始めてみると良いでしょう。
また、構音障害においては「聞き取りにくい原因を知っていることが非常に重要です。
例えば、「声が小さい」「かすれ声が聞き取りにくい」といった発声に問題がある場合は、
・呼吸の力を高める
・腹筋を強くする
・声帯の動きを高める といった必要があるため、深呼吸や簡単な体操を行いましょう。
さらに、「長く話すと聞き取りづらくなる」場合は、口や舌の筋力が問題の可能性があります。
・短く区切って話してもらう
・ゆっくり話してもらう
・口の体操 等の手段を行ってみましょう。
その他、構音障害が重度でとても聞き取りづらい場合は、代償手段を使用しましょう。
手軽に始められる代償手段として、以下が挙げられます。
・筆談(ノートやホワイトボードを使用)
・スマホでの入力機能(LINEやメール等)
他にも、
・文字盤(五十音表)の使用(一文字ずつ指をさしてもらう)
・トーキングエイド等のハイテク機器の使用(使用前に医療従事者と要相談)等があります。
ただし、ハイテク機器の使用に関しては、使用方法が特殊です。使用を検討する場合は、まず医師やリハビリスタッフへ相談すると良いでしょう。
言語障害を抱える人をサポートする方へ
私たちは他者とコミュニケーションをとりながら生活を送っています。そのため、言語障害は日常生活において、さまざまな弊害をもたらしてしまうことでしょう。安心した毎日を過ごすためにも症状をきちんと把握し、適した対応をとることが必要です。その積み重ねが、言語語障害を患ったご本人の心理的ケアにもつながります。
しかし、毎日の献身的なケアが支援者の肉体的・心理的疲労にもつながることもあるでしょう。ここでは病態理解の重要性と心理的サポートの必要性、支援者自身のケアについて紹介していきます。
病態理解の重要性
これまでもふれてきましたが、ご本人のケアを行う上で症状の理解は非常に重要です。特に言語障害においては、外見からは気づかれないことがほとんどなため、周囲の人からの理解も得られにくいことが多いのです。
実際に、自分では相手に伝えられず話すことが億劫になった方がいらっしゃいました。ご近所の人からの理解が得られず苦しむ日々が続いていましたが、ご本人が「できること」・「難しいこと」を周囲の人にしっかりと伝えたことで、周りの人の接し方も変わり、自ら相手とコミュニケーションを取るようになった人もいらっしゃいました。
このように支援者と周囲の人がきちんと症状を理解することで、ご本人自身の生活の質を向上することに繋がります。
心理的サポートの必要性
当事者はこれまで当たり前にできていた会話ができなくなったことや、言いたいことがうまく言えない、相手に伝わらないことに傷つきストレスを感じています。もちろん声をかけることも大事ですが、何も言わず寄り添うだけでも充分に効果があります。ご本人は「相手に伝わらない」ことに落ち込んでいますが、同時に「寄り添ってもらっている」状況もわかっているからです。お互いの信頼関係をゆっくりと築いていくと、相手の伝えたい内容などもわかってくることもあると思います。まずはそばに寄り添って、本人の訴えや生活の様子を観察して、当事者に安心感を持ってもらいましょう。
支援者自身のケア
毎日のケアは支援者にとっても肉体的・精神的に疲労がかかることです。一日中の献身的なサポートで、支援者自身が倒れることも少なくありません。そこで、デイサービスやデイケアなどの介護サービスを利用することはいかがでしょうか。時には自分自身の時間を作り、ストレス発散をしましょう。
また、支援者のメンタルを健康に保つためにも、積極的に誰かに相談すると良いでしょう。以下はどの地域でも相談できる代表的な相談窓口です。
・地域包括センター
・ケアマネジャー
・お住いの市町村の市役所(地域の行政窓口)
障害を患った方のケアは皆さんで行うものです。一人で抱え込まず、必ず協力を仰いでください。
言語障害を正しく理解し、当事者をサポートしよう
言語障害は外見からは判断しにくく、ご家族を含め周囲からはわかりづらい障害です。言語障害を患ったご本人も辛い状況であり、種類や重症度は人それぞれです。まずは専門性を持った人との情報共有をきちんと行い、ご家族や周囲の人への理解ももってもらいましょう。症状の理解を周囲からもらえることで得て当事者の疎外感や孤独感を取り除くことができます。また、当事者も次第に明るく生活できるようになり、当事者・支援者共に心理的負担の軽減につながります。
脳梗塞による言語障害は風邪やケガなどとは異なり、すぐに治るものではありません。毎日コツコツとお互いの信頼関係を築きながら向き合っていくことになりますので、きちんと症状を理解し、寄り添ってサポートしていきましょう。
【文献】
※1言語聴覚士のための失語症学
※2運動障害性構音障害 柴田貞夫 著
この記事の監修者
加藤 隆三
理学療法士
2012年に常葉学園静岡リハビリテーション専門学校を卒業し、理学療法士免許を取得。資格取得後は整形外科やスポーツ現場、介護サービスにて様々な分野のリハビリテーションに携わる。介護現場ではお客様の生きがいや生活の質を高めることをコンセプトとした生活リハビリの業務に従事する。2018年から脳梗塞リハビリBOT静岡の所長に着任、脳梗塞の後遺症に悩まれている方のリハビリやご家族の支援も行う。また地域リハビリテーションにも力を入れており、介護予防教室を50回以上開催し、自立支援型ケア会議に参加している。その他、福祉用具専門相談員に対する講演や大学教授との共同研究等を行っている。地域の皆さんがいつまでも生きがいを持って生活できるよう、最善のリハビリを提供することを心がけている。