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脳梗塞リハビリBOT静岡のお知らせを随時更新していきます。
2019.07.08 脳梗塞のリハビリ
回復期リハビリテーションで、機能回復を図る 第1回
この記事の監修者
保本 夢土
理学療法士
1.回復期リハビリテーションで目指すこと
回復期リハビリテーションは、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などによるリハビリ室での機能訓練主体のアプローチと病棟内のADL訓練を医師・看護師・介護士を含めた強力なチームリハを集中的に行うことで、機能を最大限に回復させていきます。リハビリの内容は主に日常生活に必要な動作が自力でできることを目指したものです。日常生活に必要な動作とは歩行・着替え・食事・排泄・入浴など日常生活を送る上での基本的な動作にあたります。
2.回復期リハビリテーションでの歩行訓練
近年の脳梗塞に対するリハビリの傾向として、患者さんの状態が安定している場合、座る→立つ→歩くの段階を得てリハビリを進めるよりも、当初から歩行訓練に入ることが主流となっております。一般的な麻痺の回復の考え方として、回復期では発症後3か月をピークに脳内で残存している脳の領域で新しいネットワークが再構築され、発症後6か月で消失するといわれています。こうした脳の働きを促すために早い段階から高いレベルの訓練をされたほうが、機能の回復効果が高まります。歩行訓練は、体を支えつつ足を出すので、体幹のトレーニングにもつながります。
■歩行訓練「立ち上がる」
【手順】
1.椅子に座り、麻痺のない側(健側)の手で手すりをつかみます。
2.上半身を少しかがめながら、頭も少し前に出します
3.両足に力を入れてゆっくりと立ち上がります。
■歩行訓練「足を踏み出す」
【手順】
1.麻痺のない側(健側)の手で手すりをつかんで立ちます。
2.麻痺のない側(健側)の脚に体重をかけながら、健側の足を1歩踏み出します。
3.麻痺のない側(健側)の足に体重をかけます。
踏み出した足を引き、手順1の姿勢に戻します。
4.麻痺側の脚を一歩踏み出します。踏み出した足を引き、手順1の姿勢に戻します。
■歩行訓練「手すりを使用して歩く」
【手順】
1.麻痺のない側(健側)の手で手すりをつかんで立ちます。その手を少し前方に滑らし
手すりを握り直します。上体を支えながら、健側の足を前に出します。
2.麻痺側の脚を麻痺のない側(健側)の足より前に出します。慣れるまでは手順1~2を
繰り返し、ゆっくりと1歩ずつ進みます。
この記事の監修者
保本 夢土
理学療法士
経歴:2008年に鈴鹿医療科学大学 理学療法学科を卒業し、理学療法士国家資格を取得。同年~2018年まで静岡県内の療養期の病院、介護老人保健施設に勤務し、慢性期の患者様に携わる。その中で脳血管障害に対する治療を中心に学び、脳卒中患者様を専門に携わりたいという思いから、2019年に脳梗塞リハビリBOT静岡に勤務。運動麻痺の改善に最善を尽くすこと、お客様の身体および精神的な悩みを共有し、少しでも表情が明るくなるよう心がけています。