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お知らせ

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2022.10.31 脳梗塞の退院後

脳梗塞の入院期間とリハビリ~退院後の生活を見据えて~

保本 夢土

この記事の監修者

保本 夢土

理学療法士

話を聞く夫婦

脳梗塞や脳出血の発症後は、急性期、回復期病院での入院期間中にリハビリを受け、自宅復帰という流れが一般的です。回復期病院での入院およびリハビリの可能な期間は、最大で発症から150日、約5か月(高次脳機能障害を伴う場合は180日)と決まっています。限られた入院期間の中で、ご家族様が中心となり自宅復帰後のリハビリ環境や介護体制、あるいは入所施設を準備する必要があります。しかし、近年の早期退院の影響を受け、平均入院日数は78.2日と約3か月未満と短い傾向にあります。また、患者様本人が入院に耐え切れず1か月ほどで自宅退院される場合もあります。その結果、「思っていた状態とは違う、これでは家では生活できない」など取り返しのつかない事になる可能性もあります。安心して自宅に帰れるように、退院後の生活について何を準備すればよいかを紹介させて頂きます。

目次

・脳梗塞の時期による入院期間とリハビリの違い(急性期・回復期・生活期)
・退院までの流れ
・自宅退院後の生活上の注意点

脳梗塞の時期による入院期間とリハビリの違い(急性期・回復期・生活期)

脳梗塞の入院期間は、患者の年齢や重症度によって大きく異なります。急性期は平均1〜4週間程度、回復期は1〜6ヶ月程度が目安とされています。高齢であるほど、また重症度が高いほど入院期間が長引き、回復に向けたリハビリがより重要になります。

脳梗塞後遺症のリハビリ

また、リハビリには、大きく分けて3つの時期に応じたリハビリがあります。始めに、脳梗塞発症直後や骨折などの受傷直後、手術直後といった状態が安定せず生命維持を優先しながらリハビリを行う急性期のリハビリ。次に容体がある程度安定し退院後の生活に向けてリハビリを行う回復期のリハビリ。最後にご自宅での活動や社会参加に向けてリハビリを行う生活期のリハビリがあります。

急性期のリハビリ

発症後2~4週間の急性期では、脳梗塞発症直後や手術の直後で容体が安定しない状況下でリハビリを行うことになります。発症後早期にリハビリを開始することで、関節の動きの維持や筋力の低下を防ぐことができます。また脳梗塞の場合、脳血流の改善や脳の腫れが改善し、麻痺などの脳梗塞に伴う症状も改善し始める時期でもあります。

<年代別入院期間>

20〜40代 比較的回復が早く、急性期の入院期間は約1〜2週間とされています。
若年層は体力や免疫力が強いため、他の年齢層と比べて早期に安定することが多いです。
50〜60代 平均して2〜3週間の入院が一般的です。
中年期に入ると血圧や糖尿病などのリスク因子も増え、
治療も多面的になることが多いため、
急性期の期間も若干長くなる傾向にあります。
70代以上 3〜4週間の入院期間が多くなります。
高齢になるほど回復に時間がかかるため、
安定するまでの入院期間が他の年齢層よりも長くなる傾向があります。
<重症度別入院期間>

軽度の脳梗塞: 多くは1週間程度で急性期を脱し、症状が安定する場合が多いです。
脳梗塞の範囲が狭い場合や血栓が早期に除去された場合は回復も早くなります。
中等度の脳梗塞 通常は2〜3週間の入院が必要で、リハビリの準備も考慮して管理されることが多いです。
重度の脳梗塞 入院期間が3週間以上となるケースが多く、集中治療が必要な場合もあります。
症状が安定するまでの期間が長くなるため、合併症のリスクも考慮しながら
慎重な管理が求められます。

<リハビリの時間・頻度・目的>
時間…1日あたり20~30分程度
頻度…毎日
目的…全身状態の管理、不動による筋力低下(廃用症候群)の予防

※1容体の安定には個別差があります。

回復期のリハビリ

発症後5~6ヶ月(150日~180日)に行う回復期のリハビリでは、容体が安定した方が、積極的に早期退院に向けて行います。特に脳梗塞発症後の方は、発症後6カ月以内が脳機能の改善が著しく見込まれる時期になります。また質と量ともに集中的なリハビリを行える環境にもあり、その後の予後に大きな影響を与える時期になります。しかし、全国的な平均入院日数も78.2日(約3か月未満)と短い傾向にあります。当施設の最近の傾向としても、入院日数の減少またはご本人の希望により退院が前倒される場合があり、一番リハビリが必要かつ充実すべき回復期でのリハビリ期間が短くなっている印象があります。その場合、退院された後に生活上での悩みが出てくる印象があります。

<年代別入院期間>

20〜40代 平均1〜2ヶ月程度で回復するケースが多く、回復が早いことが多いため、
社会復帰も比較的短期間で実現することが多いです。
50〜60代 2〜3ヶ月のリハビリ期間が一般的で、日常生活への復帰が目標となります。
就労年齢のため、リハビリに加えて生活指導も重視されます。
70代以上 3〜4週間の入院期間が多くなります。
平均3〜6ヶ月の入院が必要とされることが多く、高齢になるほど回復が遅くなるため、
退院後も在宅リハビリを併用することが一般的です。
<重症度別入院期間>

軽度の脳梗塞: 機能がほぼ維持されている場合、1ヶ月程度のリハビリで退院可能なケースもあります。
中等度の脳梗塞 2〜3ヶ月のリハビリ期間が必要で、歩行や日常生活動作(ADL)の回復を目指します。
重度の脳梗塞 回復期の入院期間が6ヶ月以上となることが多く、介助が必要な状態が続く場合や、
リハビリが長期化するケースもあります。
後遺症の程度によっては施設での長期療養が必要となることもあります。

※2高次脳障害や失語の症状がある場合は6ヵ月(180日)間のリハビリを受けることが出来ます。

生活期のリハビリ

発症後6ヶ月以降にあたる生活期のリハビリは、回復期のリハビリで改善された日常生活動作の維持・向上を図ります。尚且つ、社会参加や役割の創出といった生きがいに対してリハビリを行う時期になります。しかしながら、当施設では生活期のリハビリにおいても麻痺などの身体機能や困難な日常生活動作の改善を希望する声が多い現状にあります。理由として、家に帰って初めて生活上の問題点に気づくことが多い事が挙げられます。

<リハビリの時間・頻度・目的>
時間…介護保険サービスによる
頻度…介護度および介護保険サービスの種類による
目的…日常生活動作の維持または向上、社会参加や役割の創出

退院までの流れ

脳梗塞を発症された方の場合、麻痺や高次脳機能障害の影響により、退院後思うような生活を送ることが出来ない場合がございます。そのような場合に、退院後も安心・安全な生活をお送り頂けるよう、適切な医療・介護保険サービスを含めた生活のコーディネートをしてくれる介護支援専門員(以下、ケアマネジャー)がいます。各病院には介護申請やケアマネジャーの依頼を担う医療ソーシャルワーカーが常駐しており、専門とする相談窓口が設けられています。まずは病院の医療ソーシャルワーカーや相談窓口に問い合わせください。その他、退院までの具体的な流れを以下にまとめますので、参考にして頂ければと思います。

脳梗塞の入院期間中に準備が必要なこと

退院後、スムーズにご自宅や退院先の施設での生活に向けて、入院中から準備が必要な手続きがあります。

相談窓口の確保

相談窓口として、病院内の医療ソーシャルワーカー、あるいはご自宅近隣の地域包括支援センターや介護施設紹介サイト等があります。介護保険の申請やケアマネジャーの依頼等の相談をしてください。準備する期間としては、担当医師から退院の見込みが説明されてからなるべく早く準備に移りましょう。退院間際にならないように注意しましょう。

介護保険の申請

退院後、介護保険を利用する場合は、各自治体が行う認定調査を受ける必要がありますので、担当の医療ソーシャルワーカーに相談しましょう。詳細は後述致します。退院1カ月半~1カ月前を目安に準備しましょう。

ケアマネジャーの依頼

介護度の認定とともに、ご家族が地域包括支援センターに相談し、担当のケアマネジャーを決める必要があります。介護度の認定後すぐに準備しましょう。

試験外出・外泊

ご自宅に帰るためのリハーサルを行い、帰った場合の課題を洗い出します。ご本人の日による症状の変動やご家族が介護に慣れるため、可能であれば2回以上の試験外泊をお勧めします。ただし、現在コロナウィルスの感染対策のため、試験外泊が行えない病院もあります。担当医師から退院の見込みが説明された時。退院間際にならないように注意しましょう!早めに行う事で、病院のリハビリや福祉用具で課題に対応する事が出来ます。

住宅改修の必要性の有無を確認

試験外出または外泊の際に課題になった事を踏まえ、手すりなどの住宅改修の必要性を確認します。住宅改修とは福祉用具専門相談員が手すりや段差の解消など、日常生活を安全に送るための環境設定を行う事です。準備の時期としては、試験外出・外泊の時になります。

退院先の選択

ご本人の退院時の日常生活の自立度や医療的ケアの必要性などにより、ご自宅や介護施設を選定する必要があります。退院先に応じた利用可能なサービスは後述します。準備の時期としては、担当医師から退院の見込みが説明された後にご家族で相談しましょう。

介護体制の確保

ケアマネジャーと相談して、退院時のご本人の状態に応じて、実際に生活する際に介助が必要な場面を洗い出しましょう。そして、介助が必要な場面を同居者(家族等)がサポートすることで賄えるのか?それとも介護保険サービスを使用するべきのか?を想定しておく必要があります。同居者で賄えると思っていても、小さなサポートでも毎日積み重なると意外に負担になる場合がありますので、余裕を持ちながら上手く介護保険サービスを利用できるとよいと思います。どのような介護保険サービスがあるかをケアマネジャーに聞きましょう。

退院先が決まり次第、準備するようにしましょう。

退院後の生活についての相談窓口

病院で懸命にリハビリを積み重ね、念願だった自宅での生活に戻られたものの、実際に生活してみると思わぬ課題や悩みが出てくる事が多くあります。そのような場合に、病院には医療ソーシャルワーカー、各自治体には地域包括支援センターなど安心・安全な生活が続けられるよう相談窓口が設けられております。最近ではお役立ち情報サイトなどインターネット上で有益な情報が得られる場合もございます。ここでは介護保険サービスを利用するまでの流れについて、解説して参ります。

介護保険申請について

介護保険とは退院後、介護サービスを利用するにあたって、サービス料金の一部をお住まいの自治体が負担する制度のことです。安心安全な生活に向けて、まず行うべきことは「介護保険の申請」になります。介護保険制度を利用できる事で、身の回りのサポートからリハビリまで幅広いサービスを利用できるようになります。その際に生じる費用に関しても安く抑えることができますので、是非利用するようにしましょう。ここでは介護保険制度の「介護保険の受給対象になる方」と「申請手順」について解説していきたいと思います。

◇介護保険の受給対象になる方について

介護保険を受給できる方(被保険者)は、第1号被保険者と第2号被保険者に分けられます。65歳未満でも条件を満たせば受けることができますので、確認しましょう。

・第1号被保険者:65歳以上で日常生活に支援や介護が必要な方

・第2号被保険者:40~64歳までの医療保険加入者で、特定疾病(※1)により生活に支援や介護が必要な方

※1:特定疾病とは、脳血管疾患(脳梗塞・脳出血など)をはじめとした16種類の疾患の事を指します。

特定疾病に関する詳細は厚生労働省のホームページ(https://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/nintei/gaiyo3.html)をご確認ください。

◇介護申請の手順について

①要介護(支援)認定の申請する

介護保険サービスの利用を希望される場合は、市区町村の窓口や地域包括支援センターで「要介護(要支援)認定」の申請をします。入院中の方が申請する場合は病院の医療ソーシャルワーカー、もしくは上記の窓口にご相談ください。またお住まいの自治体によって、申請に伴う条件などがある場合がありますので、ご注意ください。申請する際に準備する物として、第1号被保険者は「介護保険の被保険者証」、第2号被保険者は「医療保険の被保険者証」が必要になります。

②要介護(支援)認定の調査、判定などが行われます。

【認定調査・主治医意見書】

市区町村の職員などの認定調査員がご自宅を訪問し、心身の状況についてご本人やご家族から聞き取りなどの調査を行います。市区町村から主治医(かかりつけ医)に医学的見地から、心身の状況について意見書を作成して頂くよう依頼します。

【審査・判定】

認定調査の結果と主治医の意見書をもとに、保険・福祉・医療の学識経験者による「介護認定審査会」で審査し、どのくらいの介護が必要か判定します。判定は要介護1~5または要支援1・2のいずれかになります。

③認定結果が通知されます。

原則として申請から30日以内に、市区町村から認定結果が通知されます。言い換えると申請から認定までに約30日かかるという事ですので、退院後すぐに介護サービスを利用したい方は、退院1カ月前から申請の準備に入る事をオススメします。

④ケアプランを作成します。

要介護1~5と認定された方は、在宅(ご自宅など)で介護サービスを利用する場合、居宅介護支援事業者と契約し、その事業者のケアマネジャーに依頼して、利用するサービスを決め、介護サービス計画(ケアプラン)を作成してもらいます。施設へ入所を希望する場合は介護施設紹介業者から施設を申し込む、もしくは直接施設に申し込みます。要支援1・2と認定された方は、地域包括支援センターで担当職員が介護予防サービス計画書(介護予防ケアプラン)を作成します。

⑤介護サービスを利用します。

利用する介護サービス事業者に「介護保険被保険者証」と「介護保険負担割合証」を提示して、ケアプランに基づいたサービスを利用します。ケアプランに基づいたサービスの利用者負担は、費用の1割または2割になります。第1被保険者については、原則合計所得金額160万円以上の所得を有する方は、2割負担となります。第2号被保険者は、所得に関わらず1割負担になります。

退院先の選択について

退院先は多くの場合、ご本人の退院時の状態や生活行為能力によって変わってきます。またご本人やご家族の意向によっても大きく変わってきます。ここでは退院後に利用できる介護保険サービスとその特徴について、触れていきたいと思います。麻痺や高次脳機能障害の影響により自宅での生活が困難な場合は、安心・安全に生活するために施設への入所を検討する必要があります。主な退院先として挙げられる主な施設とその特徴は次のとおりです。

【施設サービス】

◇介護医療院

・入所できる対象者:要介護1~5の方

・リハビリの有無:施設によって異なります。

・サービスの目的:長期の療養・褥瘡などの医療的ケアを行う事

◇介護老人保健施設

・入所できる対象者:要介護1~5の方

・リハビリの有無:リハビリ有り。リハビリ時間は20分程度

リハビリ頻度は入所後3ヶ月以内であれば1週間に3回以上

・サービスの目的:①在宅復帰に向けたリハビリを行う事

自宅に戻る際の日常生活動作に不安がある場合、生活の場を練習するために利用されます

②長期入所

◇介護付き有料老人ホーム

・入所できる対象者:要介護1~5、要支援1・2の方

・リハビリの有無:施設によって異なります。

最近ではリハビリができる施設も増えています。

・サービスの目的:適切な介護サービスを受けながら入所できる事

◇サービス付き高齢者向け住宅

・入所できる対象者:要介護1~5、要支援1・2の方

・リハビリの有無:リハビリはありません。

ただし他事業所もしくは併設のリハビリは利用できます。

・サービスの目的:・介護サービスは受けられないが、入所できる賃貸住宅

※サービスは「生活の相談」と「安否確認」に限定される

◇特別養護老人ホーム

・入所できる対象者: 原則要介護3~5の方。

※条件によっては、要介護1・2の方も利用できる

・リハビリの有無:施設によって異なります。

・サービスの目的:・食事や入浴などの日常生活のお世話

・健康管理および療養上のお世話

上記のように施設サービス毎、更には施設毎に特色があります。リハビリと言っても毎回マンツーマンでリハビリ専門職が関わる場合やそれ以外の場合など、施設によって差がございますので、リハビリの詳細な内容(時間・頻度・誰が行うのか等)まで確認する事をオススメ致します。また入院先でご自宅での生活が可能と判断され、自宅退院された場合に利用できるサービスは後述致します。

自宅退院後利用できる介護保険サービス

ここではご自宅に戻られた場合に利用できる介護サービスについて触れていきたいと思います。利用できる介護サービスは大きく「通所サービス」と「訪問サービス」に分けられます。

【通所サービス】

ご自宅から通って受ける介護サービスになります。施設までは基本的に施設側の送迎がございますので、ご安心ください。介護保険で利用できる通所サービスは次の通りです。

◇デイサービス(通所介護)

 ・入所できる対象者:要介護1~5の方

※要支援1・2の場合、名称が変わり介護予防通所介護となる。

・リハビリの有無:施設によって異なりますが、機能訓練を実施する施設があります。

リハビリ専門職による施術の有無は施設によるため要確認。

・サービスの目的:

①日常生活(入浴、食事、排泄など)の支援

②社会的孤立の解消

③心身の機能維持

④ご家族の身体・精神的負担の軽減

※リハビリ特化型、認知症対応型など様々な特色があるため、詳しくはケアマネジャーにご相談ください。

◇デイケア(通所リハビリテーション)

・入所できる対象者:要介護1~5の方

※要支援1・2の場合、名称が変わり介護予防通所リハビリテーションとなります。

・リハビリの有無:リハビリはあります。リハビリ時間は20~40分程度になります。

条件によっては、1週間に2回以上リハビリを受けられるため、施設に確認してください。

・サービスの目的:

①日常生活(入浴、食事、排泄など)の支援

②生活行為能力向上のためのリハビリ

③医療的ケア

どのようなリハビリを受けられるかは、施設によって異なるため、

ご本人の症状(言語障害など)に合わせたリハビリができるかはケアマネジャーに確認してください。

【訪問サービス】

ご自宅に介護士、看護師、リハビリ専門職などが訪問するサービスになります。詳しくは下記の表にまとめますので、今後の参考にして頂ければと思います。

◇訪問リハビリテーション

・入所できる対象者:要介護1~5の方

※要支援1・2の場合、名称が変わり介護予防訪問リハビリテーションとなる。

・リハビリの有無:リハビリ有り。リハビリ時間は20~60分程度

退院日または認定日から3ヶ月以内であれば、週2回以上リハビリを受ける事が出来ます。

・サービスの目的:

①生活行為能力向上のためのリハビリ

②医療的ケア

どのようなリハビリを受けられるかは、施設によって異なるため、

ご本人の症状(言語障害など)に合わせたリハビリができるかはケアマネジャーに確認してください。

◇訪問看護

・入所できる対象者:要介護1~5

※要支援者の場合、名称が変わり介護予防訪問看護となる。

・リハビリの有無:リハビリ有り。時間20分以上。ただし事業所によるため、要確認

・サービスの目的:

①看護師が健康チェック

②療養上のお世話

③生活行為能力向上のためのリハビリ

◇訪問介護

 ・入所できる対象者:要介護1~5

※要支援者の場合、名称が変わり介護予防訪問介護となる。

・リハビリの有無:リハビリなし。

・サービスの目的:①介護士による入浴などの介護、調理・掃除・洗濯等の家事の手伝い。

【その他】

◇小規模多機能型居宅介護

・入所できる対象者:要支援1・2、要介護1~5の方

・リハビリの有無:施設によって異なるため、施設に確認してください。

・サービスの目的:

①介護士による介護利用

方法は生活状況に応じて「通い」「自宅訪問」「泊り」の中から選択可能です。

 ◇福祉用具貸与

・入所できる対象者:要支援1・2、要介護1~5の方

・リハビリの有無:リハビリなし

・サービスの目的:①日常生活や介護に役立つ福祉用具(車椅子やベッド、手すりなど)のレンタル

自宅退院後の生活上の注意点

注意点

無事に退院され介護体制も確保できれば、いよいよ在宅生活がスタートします。なるべく長く快適にご自宅で過ごすために、注意しなければいけない点が2つあります。まず1つ目は「脳卒中の再発防止」、2つ目が「自宅復帰後の体のケア」になります。これらについて、後程詳しく解説させて頂きます。

脳卒中の再発予防について

脳卒中は「脳梗塞」「脳出血」「くも膜下出血」の事を指しており、脳卒中全体の再発率は10年で51.3%と報告されています。1)それぞれの疾患毎の10年間の再発率を見ると、脳梗塞全体で49.7%、脳梗塞の病型別に見ると、ラクナ梗塞は46.8%、アテローム血栓性脳梗塞は46.9%、心原性脳塞栓症は75.2%と言われており1)、脳梗塞以外の10年間再発率として、脳出血は55.6%、くも膜下出血は70.0%と言われております。このように脳卒中の場合、10年で2人に1人が再発する非常に再発率が高い疾患になります。そのため、脳梗塞をはじめとする脳卒中では、退院後も生活習慣の見直しや適度な運動を行う事で再発を予防していくことが非常に重要になってきます。脳卒中(脳梗塞など)の再発を予防するためには、脳梗塞や脳出血の発生リスクを高める因子を取り除く必要があります。発生リスクを高める因子としては、高血圧・高脂血症・糖尿病・肥満などの生活習慣病を防ぐ必要があります。生活習慣病については、当サイトの別の記事(https://www.noureha-shizuoka.com/news/767/)で解説していますので、ご覧ください。

再発の疑わしい症状について

脳梗塞をはじめとする脳卒中では、「再発予防が重要」という事はご理解頂けたと思います。とはいえ、どんなに再発予防をしていても、再発してしまうケースも少なくありません。そのような場合に、早期に再発に気づき対応する必要がありますので、ここでは脳卒中の中でも特に脳梗塞の前兆症状について解説していきます。脳梗塞の前兆症状として、「一過性脳虚血発作(TIA)」と言うものがあります。一過性脳虚血発作(TIA)とは、脳梗塞には至らないが、一時的に脳の血流が悪くなり、脳梗塞に似た症状が出現し短時間で消える状態のことを言います。具体的には次のような症状が現れます。

・運動障害:手足に力が入らない、食事中に食べ物・飲み物がこぼれてしまうなど

・感覚障害:片方の手足が痺れるなど

・言語障害:ろれつが回らないなど

・視力障害:一時的に片目が見えなくなるなど

・視野障害:視界の半分が見えなくなるな

以上のような症状が少しでも、一時的でも見られた場合は、すぐに病院で受診するようにしましょう。

一過性脳虚血発作についても、当サイトの別の記事(https://www.noureha-shizuoka.com/news/749/)で解説していますので、参考にして頂ければと思います。

自宅復帰後の体のケア

坂道を下る高齢女性

自宅退院後の生活上のポイントとして、前述した通り再発を予防する事で「脳梗塞」を増悪させないことが重要です。併せて、「運動量を確保する」「脳梗塞後遺症に対するリハビリ環境を整える」ことで、身体機能や日常生活動作能力を維持することが重要です。

運動量の確保

当センターにお越しの方の中には、専門職によるリハビリを行えば身体機能や日常生活動作能力が改善するものと思われがちです。もちろんリハビリを行う事で身体機能は改善しますが、リハビリ以外の時間をどう過ごすかがとても重要になります。前述しましたが、退院後のリハビリは毎日行う事は難しいですし、時間も限られてしまいます。そのような中で、リハビリ以外の時間を寝て過ごすなど、活動量が少ないとリハビリで改善が得られた機能も維持が難しくなってしまいます。長期的な身体機能や日常生活動作の維持を目的とした場合、普段の運動量、つまり普段の生活の中での習慣が大切になると考えます。例えば、趣味・家族団欒などの生きがいと呼ばれる楽しさ・安心感なども、とてもいいリハビリになると考えられます。それらは脳のリハビリという点においてはマッサージや運動よりも効果的と考えます。また、長期的な身体機能の維持を考えた際に、毎日行う家事はとても有効と考えます。人生を豊かに楽しむ行為や何かにチャレンジする態度こそがリハビリになると考えます。

脳梗塞後遺症に対するリハビリ環境について

退院後のリハビリ(生活期のリハビリ)は回復期のリハビリに比べ、介護保険の制度上リハビリの頻度や時間に限りがあるため、リハビリの量が減ってしまいがちです。そのため、外来リハビリのような医療保険と訪問リハビリのような介護保険の併用など、様々なサービスを組み合わせながらリハビリの質と量を確保していく必要があります。特に脳梗塞の後遺症にお悩みの方は、麻痺していない側の手足を酷使することで、姿勢の緊張が入りやすいため、経過とともに体が硬くなりやすい傾向にあります。そのため、退院後も可能であればリハビリを継続していく事をオススメします。しかし、前述した通り、介護保険のリハビリには要介護度によって、リハビリの日数や時間が限られており、医療保険ではリハビリを行える期間が限られております。

そのような制度上の限界で、十分なリハビリを受けることが出来ない方に向けて、最近では当センターのように制度の制約に縛られない保険外(自費)リハビリという新たなサービスが立ち上がりました。保険外(自費)リハビリとは、言葉の通り医療保険・介護保険の制度外で行われてるリハビリで、制約に囚われないため、リハビリ期間は無制限になります。リハビリ日数や時間は事業所によって異なりますが、充実したリハビリを受けられる事業所が多くあると思います。このように介護・医療保険のリハビリと保険外リハビリを上手く織り交ぜながらリハビリを行い、尚且つご自宅でも趣味や家事などを行い、活動的に過ごす事でリハビリの効果を最大化できるものと考えます。

参考文献

1)Hata J, et al.:Ten year recurrence after first ever stroke in a Japanese community: the Hisayama study. J Neurol Neurosurg Psychiatry. 2005; 76(3): 368-72.

保本 夢土

この記事の監修者

保本 夢土

理学療法士

経歴:2008年に鈴鹿医療科学大学 理学療法学科を卒業し、理学療法士国家資格を取得。同年~2018年まで静岡県内の療養期の病院、介護老人保健施設に勤務し、慢性期の患者様に携わる。その中で脳血管障害に対する治療を中心に学び、脳卒中患者様を専門に携わりたいという思いから、2019年に脳梗塞リハビリBOT静岡に勤務。運動麻痺の改善に最善を尽くすこと、お客様の身体および精神的な悩みを共有し、少しでも表情が明るくなるよう心がけています。

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